2025年「育児・介護休業法」大改正!人事必見、両立支援に役立つ福利厚生のポイント

2024年5月末に「改正育児・介護休業法」が公布されました。この大規模な改正に伴い、人事・総務担当者は労働環境の整備が求められています。

本記事は、「福利厚生をコストから投資へ」をビジョンに掲げる株式会社HQが、法改正のポイントや仕事と育児・介護の両立支援の制度を解説します。また、今回の法改正では、柔軟な働き方の実現に焦点があてられています。そこで、育児や介護との両立を支援するため、従業員の業務効率化やストレス軽減に役立ち、パフォーマンスを向上させる福利厚生の具体例も紹介します。

来年4月からの施行に向けて、自社の取り組みの参考にしてください。

目次

育児・介護休業法とは?

「育児・介護休業法」(正式名称:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)は、育児や介護を行う従業員に対し、仕事と家庭の両立支援を目的とした法律として、1992年から施行されました。

その後、「産後パパ育休」の創設や育児休業の分割取得、有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和といった改正を重ね、制度を充実させています。

そして今回、以下の改正が行われました。

2025年からの施行・7つのポイント

  1. 柔軟な働き方を実現するための措置等の義務化
  2. 所定外労働の制限(残業免除)の対象が拡大
  3. 育児のためのテレワーク導入が努力義務化
  4. 子の看護休暇の見直し
  5. 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化
  6. 育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大
  7. 介護離職防止のための個別の周知・意向確認、 雇用環境整備等の措置の義務化

参考:厚生労働省「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法改正ポイントのご案内

について、企業は以下の中から2つ以上の制度を選択して措置する必要があります。そして、従業員はその内の1つを選んで利用できます。

  • 始業時刻等の変更
  • テレワーク等(10日/月)
  • 保育施設の設置運営等
  • 新たな休暇の付与(10日/年)
  • 短時間勤務制度

については、残業免除の対象範囲を「子どもが3歳になるまで」から「小学校就学前まで」に拡大。の看護休暇は、「小学校就学前まで」から「小学校3年生まで」に変更されました。

さらに注目したいのが、➎➐により、育児や介護と仕事の両立に対し、個別に意向確認等を行うことが義務化されたことです。これは、子育てや介護における状況や、そこから生まれるニーズが、個々によって大きく異なることを反映していると考えられます。

仕事と家庭の両立を支援するためには、一律な対応ではなく、ニーズに応じた柔軟な施策が必要です。今回の改正により、仕事と育児・介護の両立についてさらに議論が進み、実際のニーズに応じた効果的な支援の実現が期待されます。

育児・介護との両立支援の福利厚生制度・取り組み例

仕事と育児・介護の両立支援には、個々の状況に対応した柔軟な施策が必要です。その具体的な取り組みのひとつとなるのが、福利厚生です。

企業の経営方針や従業員のニーズに応じて、多くの企業で様々な福利厚生が導入・活用されています。ここでは、制度の例を挙げながら、期待される効果について説明します。

働き方

  • テレワーク・出社と在宅のハイブリッド勤務
  • 時短勤務
  • フレックス勤務

働き方の支援として多くの企業に導入されているのが、勤務場所や時間に柔軟性を持たせる制度です。働き方の選択肢が増えることで、通勤時間だけでなく、肉体的・精神的なストレスの軽減につながります。これにより、仕事に対するモチベーションの向上や、離職率の低下が期待できます。

休暇

  • 柔軟に取得できる特別休暇
  • 看護や手続きのための中抜け

行事や手続き、看護、病院の付き添いなどは、育児や介護をしている従業員にとって避けられない場面です。柔軟な休暇制度の導入により、従業員は家庭のために過ごす大切な時間を確保できます。

また、時間単位で休暇が取れることで、有給休暇を使うことなく、離席に必要な時間を確保できます。休暇の選択肢の増加は、仕事と家庭の両立に伴うストレスを緩和するとともに、作業効率の向上や、他の従業員への負担軽減にもつながります。

研修

  • 休職前/復職前セミナー
  • キャリア継続支援セミナー
  • パートナー向けの協力支援セミナー
  • 両立支援に関する、中間管理職向けセミナー

育児や介護は、多くの従業員にとって初めての経験です。先輩社員の経験や知識を活用し、制度の効果的な活用法や将来のキャリア構築について学ぶ機会を提供することで、不安を軽減し、復職後のさらなる活躍が期待できます。さらに、制度を利用しやすい企業文化を醸成するためには、中間管理職を対象にしたセミナーも有効です。

手当

  • 育児・介護に関する独自の手当

育児・介護に関して、法定の給付金に加えて、独自の手当を支給する企業もあります。これらの施策は導入が比較的容易であり、従業員の満足度向上に寄与します。しかし、課税対象となる場合が多いので注意が必要です。

育児関連

  • 社内託児所の設置
  • ベビーシッターサービスの利用補助
  • パパ・ママ社員同士の情報交換のためのランチ代補助
  • 家事代行サービスの法人契約

育児に関連した福利厚生は、企業により様々な制度が導入されています。企業の規模や従業員の構成、個々の職務内容により最適な制度は異なりますが、従業員が仕事と子育てを両立し、その能力を最大限に発揮するために必要なサポートが求められます。

介護関連

  • 介護タクシーの利用補助
  • 介護施設利用の費用補助
  • 介護相談サービス
  • 介護用品の購入支援

介護に直面する従業員は、ストレスや心身の疲労、孤独感といった、表面に見えにくい辛さを抱えていることが少なくありません。これらの福利厚生は、介護の負担を軽減しながら、仕事を継続するために必要な手段です。従業員のストレスを緩和し、能力を十分に発揮できる環境の整備が望まれます。

福利厚生で両立支援を行う場合のポイント

今回紹介したように、様々な福利厚生により、仕事と家庭の両立を支援することができます。これらの制度が組織内で効果的に機能するよう、福利厚生を導入する際に考慮するべきポイントについて解説します。

①公平性の担保

ここにおける公平性とは、「誰もが利用できる権利を持つ」という意味ではありません。仕事と家庭の両立を支援する際、たとえば「育児」ひとつをとっても、子どもの人数や年齢、性質、パートナーや実家の支援の有無などにより、必要なサポートは大きく異なります。

大切なのは、すべての従業員にとって有益となる、柔軟かつ多様な福利厚生の提供です。こうした公平性を担保することで、従業員にとって福利厚生が効果的に機能し、モチベーションや業務効率向上への寄与が期待できます。

②従業員の声を聴く

従業員の声を反映した福利厚生制度の設計は、制度の実効性を高めるカギとなります。今回の「育児・介護休業法」改正により、仕事と育児・介護の両立に関する意向聴取が義務となった今、より個々にフィットした施策の提供が必要と言えるでしょう。

アンケートや定期的なヒアリングを通じ、従業員のニーズに対応した制度の導入が求められます。

③法律の遵守

福利厚生を通じて仕事と家庭の両立を支援する際、関連法規を遵守する必要があります。育児・介護休業法や労働基準法など、従業員の権利を保護する法律に準拠した制度設計ができているか、社会保険労務士や弁護士などの専門家を交えて確認しましょう。

また、今後の法改正の可能性も視野に入れ、確認と対応を怠らないことが大切です。

④柔軟な制度設計

社会やビジネス環境の変容だけでなく、従業員それぞれの状況においても、子育てや介護に関するニーズは刻一刻と変化します。これらに対応するためには、柔軟な制度設計が求められます。

柔軟かつ多様性のある福利厚生により、従業員は状況に応じた最適なサポートを得ることができ、仕事と家庭のバランスを保ちやすくなります。

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執筆者情報

株式会社HQ

HP:https://hq-hq.co.jp

株式会社HQは、「福利厚生をコストから投資へ」をビジョンに掲げ、「テクノロジーの力で、自分らしい生き方を支える社会インフラをつくる」ことをミッションとしています。

人事戦略に即し、かつ社員一人ひとりを個別最適にサポートする、AIを活用した次世代型福利厚生プラットフォーム「カフェテリアHQ」や、リモートワーク支援プラットフォーム「リモートHQ」を提供しています。

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