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人事プロフェッショナルの福利厚生ガイド⑪「エンゲージメントと人材確保」
「人事プロフェッショナルの福利厚生ガイド」の第11回です。
福利厚生を、人材戦略を支える施策と位置づけ、経営の視点から福利厚生を見直し活用しようという連載です。
私は、福利厚生専門誌「旬刊福利厚生」を発行する出版社、
株式会社労務研究所の代表取締役、可児俊信です。
私がお相手をつとめますサトです。
今日もよろしくお願いいたします。
前回に引き続き、人材確保と福利厚生の役割のお話ですよね。
そうです。
今回は、『エンゲージメント』の面からお話したいと思います。
人材確保と福利厚生活用
人材確保に関連して、エンゲージメントが注目されています。従業員のエンゲージメントが高いと、労働生産性が上がると同時に人材の定着にもつながるとして重視されています。これまでも、従業員満足とか、ロイヤルティ、愛社精神、働きがい、やりがいといった類似した人事指標はありました。
エンゲージメントは従前の用語とはどう違いますか?
エンゲージメントは従前の指標と異なり、測定可能であるとされています。エンゲージメントサーベイとか実施されていますね。また上司の人事評価に部下のエンゲージメントの結果を取り入れる会社もあります。測定可能だからこそできることです。
さらには、エンゲージメントは2種類に分けられています。
まずワークエンゲージメントです。仕事への熱意、没頭、活力の高さの指標です。従前の人事用語では、働きがい、やりがいが近いでしょう。
また、ワークエンゲージメントの指標を数値化したものを、ワークエンゲージメント・スコアといいます。
もう一つは従業員(社員)エンゲージメントです。会社への貢献意欲、会社への信頼、会社との繋がりの強さを表す指標です。従前の人事用語のロイヤルティ、愛社精神、忠誠心、従業員満足が近いでしょう。
2つのエンゲージメントの繋がり
実は、ワークエンゲージメント・スコアを国際的に比較すると先進国で日本の従業員は最も低いのです。このグラフがそうです。
驚きです。日本の従業員は世界的にやる気がないのでしょうか?
このグラフで注意すべきは、あくまでワークエンゲージメントを調べていることです。つまり仕事への没頭・活力・熱意を訊ねているものです。
私だったら、「仕事への熱意・没頭・活力」を率直に尋ねられても気恥ずかしくて「はい」とか答えにくいです。
一方で、この設問自体が日本人向けではないという声もあります。
日本の従業員はやる気がないとは思えないでしょう。
スコアが低いもう一つの理由に、日本の従業員は従業員エンゲージメント、つまりロイヤルティ、愛社精神、従業員満足が高いことが考えられます。よってワークエンゲージメント・スコアだけを見ると低くなるのです。
日本では最近でこそ、ジョブ採用という言葉が聞こえてきましたが、基本的には就職ではなく、就社であり、仕事を選べないですから、仕事よりも会社に愛着を感じるはずです。
このワークエンゲージメント・スコアの低さこそ、従業員エンゲージメントの高さの裏返しだと思います。従業員エンゲージメントで示される会社への貢献意欲、会社への信頼、会社との繋がりの強さをさらに高めて、会社への定着を促し、労働生産性を高めていくことが日本式のエンゲージメントの活用方法だと思います。
どうしたらよいでしょうか。
従業員エンゲージメントは、会社への信頼、会社との繋がりの実感が貢献意欲となり、定着を促すものです。
従業員が会社と繋がり、信頼を持つのは、「会社が自分を見てくれて、自分を支援してくれる」という実感を持つ瞬間です。人事評価が高かったときはそう思うでしょうが、あくまで相対評価なので全員というわけにはいきません。そこで福利厚生の出番となります。従業員が欲していること、ニーズ、支援して欲しいことを会社が察知し、提供することです。給与ではできません。つまり福利厚生を活用します。
どうしたら従業員のニーズを察知できるかは次号となります。
株式会社労務研究所様と、9の福利厚生事業者(金融機関、福利厚生アウトソーサー 等)は、福利厚生の一層の普及・発展を目的に、優れた福利厚生を実施している、またはこれから福利厚生の充実を図ろうとする意欲ある企業・団体・自治体を表彰する制度、「ハタラクエール」を提供しています。
これまでに352法人が表彰・認証されており、有名企業も数多く表彰されています。(受賞法人リスト)
採用戦略が重要な経営課題となる中、自社の充実した福利厚生制度を求職者にアピールできる絶好の機会です。
エントリー料は不要ですので、これを機に、ご興味のある方はぜひエントリーしてみてはいかがでしょうか。
今年度の応募は10月1日よりスタート致しました。
多くの企業様のご応募を心よりお待ちしております。
資料の請求やご相談等は、下記株式会社労務研究所様のHPより直接お問い合わせください。
筆者が代表を務める株式会社労務研究所では、福利厚生環境の変化、従業員の多様化の中で、今後の共済会の在り方を考えようとの目的で、共済会事業交流会を創設し、運営しています。
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ご参加要項 |
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年会費:66,000円 |
持ち回りで自共済会の事業内容の報告をお願いします。 |
<お申込方法などのお問合せ>
株式会社労務研究所 可児俊信:t.kani@rouken.com
株式会社労務研究所 代表取締役
~福利厚生専門誌「旬刊福利厚生」を発行する出版社
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授
可児 俊信 氏
公式HP:https://rouken.com
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1996年より福利厚生・企業年金の啓発・普及・調査および企業・官公庁の福利厚生のコンサルティングにかかわる。年間延べ700団体を訪問し、現状把握と実例収集に努め、福利厚生と企業年金の見直し提案を行う。著書、寄稿、講演多数。
◎略歴
1983年 東京大学卒業
1983年 明治生命保険相互会社(現明治安田生命保険)
1988年 エクイタブル生命(米国ニューヨーク州)
1991年 明治生命フィナンシュアランス研究所(現明治安田生活福祉研究所)
2005年 千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科教授 現在に至る
2006年 ㈱ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長 現在に至る
2018年 ㈱労務研究所 代表取締役 現在に至る
◎著書
「新しい!日本の福利厚生」労務研究所(2019年)、「実践!福利厚生改革」日本法令(2018年)、「確定拠出年金の活用と企業年金制度の見直し」日本法令(2016年)、「共済会の実践的グランドデザイン」労務研究所(2016年)、「実学としてのパーソナルファイナンス」(共著)中央経済社(2013年)、「福利厚生アウトソーシングの理論と活用」労務研究所(2011年)、「保険進化と保険事業」(共著)慶應義塾大学出版会(2006年)、「あなたのマネープランニング」(共著)ダイヤモンド社(1994年)、「賢い女はこう生きる」(共著)ダイヤモンド社(1993年)、「元気の出る生活設計」(共著)ダイヤモンド社(1991年)