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令和6年4月、日本とイタリアの社会保障協定が発効
2024年1月12日、日本とイタリアの間で交わされた「社会保障に関する日本国とイタリア共和国との間の協定」(以下、「日・イタリア社会保障協定」)が、外交上の公文の交換により効力を生じることとなりました。これにより、令和6年4月1日から、両国間の新たな社会保障制度が開始されます。
保険料の二重負担が解消へ
従来、日本とイタリアの両国間で一時的に従業員が派遣される場合、それぞれの国の年金制度への加入が義務付けられており、これが原因で、年金保険料の二重負担という問題が生じていました。
しかし、今回の社会保障協定の締結によって、派遣期間が5年以内の見込みであれば、派遣元の国でのみ年金制度に加入することが可能となり、二重負担の問題が解消されることとなります。
例えば、令和6年4月1日以降に、日本からイタリアへ5年以内の見込みで派遣される場合、イタリアでの年金加入義務は免除されます。
また、令和6年4月1日前から、すでにイタリアへ派遣されている従業員については、残りの予定派遣期間が5年以内と見込まれる場合、日本の年金制度に加入することが可能です。
適用証明書の交付が必要
協定の適用を受けるためには、原則として派遣前に日本年金機構から適用証明書の交付を受ける必要があります。海外に派遣される従業員の年金保険料の負担軽減はもちろんのこと、企業の人件費負担も軽減されます。これにより、日本とイタリア両国間の人的・経済的交流がより促進されることが見込まれます。
ただ、今回の協定には、年金加入期間の通算規定が含まれていない点に注意が必要です。社会保障協定は、協定国の年金制度等によって内容が異なるため、適用を受けようとする場合は、必ず年金事務所に確認するようにしましょう。
参考:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/pressrelease_nenkink20240112_00001.html )