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在宅勤務手当が割増賃金の算定基礎から除外される基準・計算方法に関する通達
厚生労働省は、在宅勤務手当が割増賃金の算定基礎から除外される基準と、その計算方法について通知を発出しました。
コロナ禍以降、在宅勤務が普及し、在宅での業務に必要な通信費や電気料金等を「在宅勤務手当」として支給する企業が増えました。政府はこの在宅勤務手当を割増賃金の算定基礎から除外することができるかどうかの基準や、その計算方法などについて、これまでに検討を続けてきました。
令和6年4月6日、厚生労働省が発出した通知によると、在宅勤務手当は基本的に割増賃金の算定基礎として含まれますが、企業が事業経営のために必要な実費を補填する場合(以下「実費弁償」といいます。)にあたる場合には、例外的に算定基礎から除外することが認められます。
実費弁償として認められるためには、就業規則等で実費弁償分の計算方法が明示される必要があり、かつ、当該計算方法は在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえた合理的・客観的な計算方法である必要があります。
通達で示された計算方法には、国税庁で示されている計算方法、それを簡略化した方法、実費の一部を補うものとして単価を定める方法の3つがあります。今後、在宅勤務手当の取扱いについては、これらの計算方法を踏まえて対応を検討する必要があります。
計算方法の詳細については、厚生労働省の通達「割増賃金の算定におけるいわゆる在宅勤務手当の取扱いについて(https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240409K0010.pdf)」をご確認ください。
在宅勤務手当を割増賃金の算定から除外することにより、労働者の受け取る割増賃金額が減少するケースがある点に注意が必要です。これは労働条件の不利益変更にあたる可能性があるため、在宅勤務手当の取扱いの変更を実施する際には、法律で定められた手続きを遵守したうえで、労使間で事前に十分な話し合いを行うようにしましょう。