従業員数100人を超える企業に男女間賃金差異の公表義務拡大へ

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近年、職場における女性の活躍推進とハラスメント防止は、企業の重要な課題となっています。今回、厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」が公表した報告書では、これらの課題に関する新たな方向性が示されました。本記事では、企業に特に影響を与える可能性がある2つのポイントについて解説します。

目次

100人超え企業に対する男女間賃金差異の公表義務の対象拡大

女性活躍推進法は、現行法では令和7年度末に失効する予定でしたが、報告書では10年間の延長が適当であるとされています。これにより、企業は引き続き女性活躍推進のための行動計画策定や情報公表などの取り組みを継続することが求められます。

注目すべき点は、男女間賃金差異の公表義務の対象拡大です。現在、常時雇用する労働者が301人以上の企業に義務付けられている男女間賃金差異の公表を、101人以上300人以下の企業にも拡大することが提案されています。

この変更が実施されれば、中堅・中小企業にとっても男女間賃金差異の分析と公表が必要となります。

企業は自社の賃金体系を見直し、必要に応じて是正措置を講じる必要があるでしょう。また、公表に際しては説明欄の活用が推奨されており、差異の要因分析や今後の取り組みについて明確に説明することが求められます。

カスタマーハラスメント対策の法制化

もう一つの重要なポイントは、カスタマーハラスメント(顧客等からの著しい迷惑行為)対策の法制化です。報告書では、カスタマーハラスメント防止のための事業主の雇用管理上の措置義務を法律で規定することが適当であるとされています。

カスタマーハラスメントの定義は、以下の3要素を満たすものとされています。

  1. 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行うこと
  2. 社会通念上相当な範囲を超えた言動であること
  3. 労働者の就業環境が害されること

もし法制化されれば、相談体制の整備や再発防止のための措置などの対応が必要になる可能性があります。特に接客業やサービス業を中心に、多くの企業でカスタマーハラスメント対策の強化が求められることになるでしょう。

今回提言された内容は、企業にとって新たな負担となる可能性がありますが、同時に職場環境の改善や人材確保・定着にもつながる重要な取り組みです。女性活躍推進とハラスメント防止は、今や企業の社会的責任であり、競争力強化にも直結する課題となっています。

参考元(厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001282515.pdf


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