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雇用調整助成金について不正受給の調査を受けるケースが増えています
最近、過去に雇用調整助成金を申請した事業者に対して、都道府県労働局による調査が行われるケースが増えています。
この調査は、雇用調整助成金の不正受給の有無を確認するためのものです。
新型コロナウイルスの影響により多くの事業者が雇用調整助成金を利用したため、このような調査が行われるのは自然な流れと言えるでしょう。
具体的には、労働局の職員が事業所を訪問し、帳簿書類の原本を確認します。
そして、提出した書類と事業所の実態に齟齬がないかを確認します。もし齟齬があった場合、それが不正なのか、誤りによるものなのかを判断したうえで、場合によっては返還を求めるという流れになっています。
このような雇用調整助成金についての事業所の実態調査があった場合、スムーズに対応できるよう、調査内容を把握し、適切な対応を心がけましょう。
雇用調整助成金の不正受給があった場合はどうなる?
さて、雇用調整助成金の不正受給があった場合にはどうなるのでしょうか。
雇用調整助成金について不正受給があった場合、労働局はその返還を求めます。
返還請求を受けた場合、不正に受給した助成金額だけでなく、違約金(不正受給した助成金の額の2割に相当する額)や延滞金(不正受給の日の翌日から納付の日まで年3分)も課せられます。
また、自主申告をしなかった事業所については、事業所名や代表者名などが公表されます。
事業者としては名前が公にされることによる信用失墜を避けるため、適切な申告と返還が求められます。
不正受給を自主申告をすれば公表されない可能性がある
雇用調整助成金の不正受給があった場合、その事業所が不正受給について自主申告し、受給金額+違約金+延滞金を速やかに返還すれば、事業所名などの公表は免れられる可能性があります。
ただし、労働局の調査に協力しなかった場合や、不正受給の内容が悪質と判断された場合には、公表される可能性があります。
そのため、雇用調整助成金の不正受給があった場合は速やかにそれを自主申告し、また、労働局による調査が行われたときは、全面的に協力することが重要です。
まとめ
最近、過去に雇用調整助成金を申請した事業者に対して労働局による調査が増えています。
不正受給があった場合、その返還が求められるとともに、事業所名が公表される可能性もありますが、自主申告と返還を行えば公表は避けられる可能性があります。
これらの事実を踏まえ、事業者としては雇用調整助成金の適切な管理と使用、そして労働局による調査に対する適切な対応が求められます。
企業経営者や人事担当者は適切な行動をとるようにしましょう。