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【令和6年最新版】中小企業省力化投資補助金の申請要件や注意点
人手不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助することを目的として、今年度より公募が開始された補助金です。6月25日から第1回公募として実施されましたが、8月9日より随時受付に変更となりました。
随時受付とは、公募期間を気にせず、ある程度自社が申請したいタイミングで申請が可能になったということです。もちろん予算がありますので、いつまででもではありませんが、そもそも3年間の実施を想定しているため、しばらくは大丈夫かなといったところかと思います。
補助額や補助率、事業目的についてはこちらの記事をご覧ください。
2024年4月に公募の補助金について(第2回)
https://sgs.sato-group.com/news/041/
この補助金は「カタログ補助金」といった呼ばれ方もされており、その名の通り、カタログに掲載されている製品を補助対象とすることができる補助金です。本記事ではこのカタログについての説明と、補助金の申請に向けた説明をしたいと思います。
中小企業省力化投資補助金の製品カタログとは?
製品カタログはHP上に公表されており(中小企業省力化投資補助金HP製品カタログページはこちら⇒https://shoryokuka.smrj.go.jp/product_catalog/)、登録された製品カテゴリ毎にそのカテゴリの製品が登録されています。
このカテゴリの登録は各工業会が申請することになっており、工業会が申請して登録されたものが製品カテゴリとして登録されます。令和6年8月16日の更新では21カテゴリが登録されていますが、まだまだ登録が進んでいないかなといった印象です。
個人的には追加されて欲しいカテゴリなどもあるのですが、工業会が申請していないのか、申請中なのか、それとも申請したが登録にならなかったのか。工業会に問い合わせればわかるのでしょうが、気になるからといっていきなりそんな連絡をするのは躊躇われるところです。そして、カテゴリ登録の際に、そのカテゴリ毎に対象となる「業種」と「業務プロセス」も設定されます。この業種についてもカテゴリによっては追加しても良いのではという業種もありますが。
カテゴリの登録がされると、次は製造事業者又は海外製造事業者の総代理店による「省力化製品登録・省力化製品製造事業者登録」の申請になります。
さらにこの登録が完了すると、カタログ申請が可能になり、ようやくカタログに掲載することができます。この手続きをしなければならないのは、販売する事業者ではなく、製造等する事業者です。
カテゴリの登録がされると、次は製造事業者又は海外製造事業者の総代理店による「省力化製品登録・省力化製品製造事業者登録」の申請になります。
ここまで手続きをしてきましたが、まだ補助金は活用できません。実際に補助金を活用するためには、カタログに掲載された製品等を販売する事業者の登録「販売事業者登録」が必要になります。この登録は上記製造等する事業者も直接販売している場合はしなければなりません。販売事業者は、登録された製品の中からその顧客が申請する補助金申請の手続きが可能となります。
令和6年8月14日時点でのカテゴリ一覧表
実際にカタログに表示される製品数と登録製品数が一致していませんが、これはおそらく製品の登録はされたがカタログ申請がまだ完了していないためかと考えています。スチームコンベクションオーブンと券売機が圧倒的な登録数です。
中小企業省力化投資補助金を申請するための要件
カテゴリに登録された製品であればだれでも申請可能とはいきません、申請するための要件があります。
補助金の対象事業者
- 中小企業者(組合関連以外):中小企業等経営強化法第2条第1項に規定される法人
- 中小企業者(組合・法人関連):中小企業等経営強化法第2条第1項第6号~第8号に定める法人(企業組合等)該当しない組合や財団法人(公益・一般)及び社団法人(公益・一般)、医療法人及び法人格のない任意団体は補助対象外。
その他、一定要件を満たしている場合に限り、NPO法人や社会福祉法人でも補助対象となる場合があります。社会福祉法人の申請が認められたとしても、収益事業の範囲内でしか活用できませんので、社会福祉事業での活用はできません(そもそもカタログの対象業種にも含まれていません)。
(引用:中小企業省力化投資補助金公募要領P.8-9 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines.pdf)
みなし同一法人
上記(1)の対象者のうち、親会社が議決権の過半数を有する子会社がある場合、両社は同一の法人とみなされ(これをみなし同一法人といいます)、うち1社での申請しか認められません。同様の子会社が複数ある場合もすべてまとめてみなし同一法人として1社での申請しか認められません。
議決権が過半数なくとも、代表者及び住所が同じ法人、主要株主及び住所が同じ法人、実質的支配者(※)が同じ法人についても同様になりますのでご注意を。
※実質的支配者とは?
法人の議決権の総数の4分の1を超える議決権を直接又は間接に有していると認められる自然人(個人や法人)等
さらに詳しくはこちら↓
法務省:実質的支配者リスト制度の創設(令和4年1月31日運用開始)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00116.html
法務省:実質的支配者リスト制度Q&A
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00119.html#1-1
みなし大企業
次の①~⑥のいずれかに該当する事業者は、大企業とみなされる事業者(みなし大企業)となり、補助対象外となります。
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業者
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業者
- 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額を①~③に該当する中小企業者が所有している中小企業者
- ①~③に該当する中小企業者の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている中小企業者
- 交付申請時点において、確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者
(引用:中小企業省力化投資補助金公募要領P.10-11 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines.pdf)
その他、他の補助金を活用したことがある事業者においては、補助対象外とされてしまう場合もありますので、これもご注意ください。
人手不足の状態にあること
人手不足に悩む中小企業等を支援する補助金ですので、どう人手不足に悩んでいるのか申告する必要があります。基本的には用意された項目のうち、どれに該当するか確認します。
- 限られた人手で業務を遂行するため、直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている。
- 整理解雇に依らない離職・退職によって従業員が前年度比で5%以上減少している。
※ただし、「常時使用する従業員(労働基準法(昭和22年法律第49号)第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」)」ではない者が主体の事業者については従業員数を総労働時間で代替することも認める。(直近1年間のうち、月の総労働時間が前年同月比で5%以上減少していること。) - 採用活動を行い求人を掲載したものの、充足には至らなかった。
(引用:中小企業省力化投資補助金公募要領P.13 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines.pdf)
人手不足の状況であれば、上記のいずれかに該当する可能性が高いですが、該当しない場合でも省力化を推進する必要がある場合もあるかもしれません。
4. その他、省力化を推し進める必要に迫られている
を選択することになります。ただし、4の選択は例外的な取扱いとなるようで、より厳格な審査となり、場合によっては追加書類の提出や審査の長期化となる場合があるとされています。
労働生産性の向上目標達成の見込み
申請の際に、補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定する必要があります。CAGRの確認方法(計算式)は↓こちら
(付加価値額)=(営業利益)+(人件費)+(減価償却費)
(労働生産性)=(付加価値額)÷(従業員数)
(労働生産性の年平均成長率)=
[{(効果報告時の労働生産性)÷(交付申請時の労働生産性)}^(効果報告回数※)-1 -1]×100%
※効果報告回数:過去に効果報告を行った回数に1を加えた値
この達成の見込みを、導入製品の使用方法、効果、業務が省力化されることにより生じると期待できる時間・人員の使途などをもって説明する必要があります。
(引用:中小企業省力化投資補助金公募要領P.6 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines.pdf)
保険への加入
補助額が500万円以上となる場合、事業計画期間終了までの間、火災等による取得財産の損失(及びそれによって補助事業を完遂し得ない事により補助金が交付されない場合)に備えて、保険金額が補助額以上である保険又は共済(補助金の交付対象である施設、設備等を対象として、自然災害(風水害を含む。)による損害を補償するもの)への加入を必須とする。なお、本保険料は、補助対象外であることに留意すること。 実績報告提出時に、保険・共済への加入を示す書類の提出が必要となる。(引用:中小企業省力化投資補助金公募要領P.13 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines.pdf)
製品単価500万円ではなく、補助額が500万円以上である場合に補助対象となるロボットや機器に保険をかける必要があります。
ちなみに、令和6年8月14日時点では『複数種類の製品申請【重要:複数の別製品の購入は当面の間は対象外】』とされており、同一事業者(みなし同一法人含む)が2回目の交付を受けることを認めておりませんでしたが、令和6年8月26日に「今後、各申請における補助額の合計が補助上限額に達するまでは、複数回の応募・交付申請が可能となる予定です。詳細については、追って公募要領等でご案内いたします。」と公表されました。
現在まだ上記公募要領の変更はありませんが、このような申請が可能になれば各段に使いやすくなるのではないかと思います。
ご相談をお待ちしております
その他にも申請要件や細かい注意点などもありますので、申請をお考えの方は是非ご相談ください。
補助金の申請だけでなく、省力化製品登録・省力化製品製造事業者登録や販売事業者登録についてもサポートしております。
SATO行政書士法人では補助金に関するご相談や申請のサポートを行っております。スムーズな申請や活用のための提案などを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
補助金申請サポートの内容はこちら:https://sgs.sato-group.com/service/subsidy/
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