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育児休業の取得率は、女性が8割台で推移している一方、男性は上昇傾向にあり、2023年度には初めて3割を超えました。育児休業の取得に際して、人事担当者が避けて通れないのが『育児休業等取得者申出書』の手続きです。『育児休業等取得者申出書』は、従業員と会社をつなぐ重要な書類であり、適切な処理が求められます。
今回は、『育児休業等取得者申出書』の具体的な書き方や手続きの流れ、注意点について詳しく解説します。申請業務に不慣れな担当者でも簡単に理解できるよう、重要なポイントを押さえた内容をお届けします。
育児休業等取得者申出書とは、社会保険の被保険者が育児休業を取得する際に、企業が年金事務所に提出する書類のことです。
この申出書を提出することで、従業員が育児休業中の期間において、従業員分および会社負担分の社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料)が免除されるメリットがあります。
免除の対象期間は、育児休業等を開始した日の属する月から、終了日の翌日が属する月の前月までです。また、育児休業開始月と終了月が同じ場合でも、その月に14日以上の育児休業等を取得した場合、社会保険料は免除されます。この14日間の取得は、連続して取得する必要はなく、同一月内であれば通算可能ですが、開始日と終了予定日の翌日が同月に属する場合のみ適用となりますので注意が必要です。
なお、免除されている期間中でも、社会保険料は支払ったものとみなされるため、将来受け取る年金額に影響が出ることなく反映されます。
提出時期:申出書は、育児休業等開始年月日から、育児休業等終了後1カ月以内の間に提出しなければなりません。
提出先:申出書は、管轄の年金事務所または事務センターへ提出します。提出方法は、電子申請や郵送、または窓口への持参です。
年金事務所または事務センターに提出することで、協会けんぽへの別途届出は不要となりますが、自社健保の場合は「育児休業等取得者申出書」(または独自様式)を自社健保の担当窓口へ提出しましょう。
添付書類:基本的に添付書類は不要です。ただし、育児休業等開始年月日から育児休業等終了後1カ月以内に届書を提出できなかった場合は、理由書や対象の従業員が休業していることを証明する書類(例:出勤簿、賃金台帳など)の添付が必要となりますので、遅れることのないよう手続きをおこないましょう。
育児休業等取得者申出書は、会社が年金事務所へ提出する重要な書類です。正確かつ漏れなく記入することが求められます。ここでは、各項目の記入方法について詳しく解説します。
提出日:事業主が被保険者(従業員)から育休の申出を受け、年金事務所へ提出した日を記入します。
事業所整理記号:年金事務所から送付される「納入告知書」や「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書」などに記載されている事業所整理記号を、必ず正しく記入します。
事業所所在地、名称、事業主氏名、電話番号:正しく記入します。
共通記載欄
育児休業等取得者申出書の期間を延長する場合は、共通記載欄①〜⑭を記入のうえ、「⑯育児休業等終了(予定)年月日(変更後)」を記入します。
申出の際に記入した終了予定日より早く育児休業等を終了した場合は、共通記載欄①〜⑭を記入のうえ、「⑱育児休業等終了年月日」を記入します。
「育児休業等開始年月日」と「育児休業等終了(予定)年月日の翌日」が同月内で、かつ複数回に分割して取得する場合のみ、それぞれの育児休業等の開始日・終了日・取得日数・就業予定日数を記入します。
育児休業を取得する際の手続きには、従業員と会社双方の準備や確認が必要です。ここでは、一般的な手続きの流れを解説します。
・育児休業の申し出:従業員が育児休業を希望する場合、育児休業開始予定日の1カ月前までに申し出を受けます。
・会社の対応:従業員からの申し出を受け、会社は必要な書類を準備します。
従業員の情報や育児休業期間などを、申出書に正確に記入します。前述のセクションで解説したように、記載内容に間違いがないように注意しましょう。
申出書は年金事務所または事務センターへ、電子申請、郵送、または窓口で提出が可能です。電子申請が推奨されますが、企業の状況に応じて最適な方法を選びましょう。
受理確認:年金事務所に提出後、受理されると会社へ受理通知が届きます。通知が届かない場合は年金事務所へ確認を行い、手続きが完了しているかどうかを確認します。
・変更申請:育児休業期間の変更や延長が必要な場合は、変更内容を申出書の「A.延長」欄に記載し、再度年金事務所へ提出します。
・終了手続き:予定より早く休業が終了した場合は、「B.終了」欄に終了日を記入し、速やかに提出します。
育児休業等取得者申出書の作成は、育児休業の手続きにおいて非常に重要なステップです。小さなミスが手続きの遅延や認可の遅れにつながるため、慎重に進める必要があります。以下の点に注意して作成を進めましょう。
従業員情報、会社情報、育児休業期間など、全ての情報を正確に記入します。特に被保険者番号の記載ミスが多いため、事前に人事システムや書類などで確認しましょう。また、育児休業期間の日付が不正確だと手続きが受理されない可能性があるため、従業員と事前に確認することが重要です。
育児休業に関する法律や申出書の様式は、変更されることがあります。最新の様式を使用し、記載内容についても最新の法令に基づいて作成しましょう。
育児休業に関する会社の方針や法制度について、社内報や説明会などで従業員が十分に理解できるよう努めましょう。
育児休業は男女関係なく取得が可能である点や、会社が提供する復職支援について説明し、育児休業取得を促進します。
育休中に従業員へ賞与を支給した場合、社会保険料についての問い合わせが発生することがあります。
この場合、賞与支給月の末日を含む、連続した1カ月を超える育児休業を取得した場合のみ、免除対象となります。そのため、産後パパ育休や育児休業の分割取得など、短期間で育児休業を取得している従業員がいる場合には注意しましょう。
育児休業等取得者申出書の作成と申請手続きは、従業員が安心して育児に専念し、復職までスムーズに進めるための重要なプロセスです。従業員が適切に育児休業を取得できるよう、会社は正確な情報記入と最新の法令に基づいた申請を心がけることが求められます。また、従業員への制度説明や手続きに関するサポートも不可欠です。
この手続きを通じて、育児休業制度の普及と活用が進むことで、会社全体のワークライフバランスの向上や、職場環境の改善につながることが期待されます。人事担当者の皆さまには、申請手続きや制度活用のための周知活動を継続していただき、従業員が安心して育児休業を利用できる職場作りをサポートしていただければと思います。
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