令和7年2月17日に公布された特定技能基準省令の改正等により、在留資格「特定技能」に関する運用の一部が令和7年4月1日から変更されました。今回の変更の1つとして、1号特定技能外国人に対する支援の一環として実施される定期面談が、一定の条件のもとでオンラインでも可能となりました。
本記事では、オンラインによる定期面談について、ご説明いたします。
オンラインによる定期面談が可能
これまで、定期面談は必ず対面で行うことが求められていましたが、今後は一定の条件を満たすことでオンラインでの面談も可能となります。オンライン面談には、オンライン会議システムやテレビ電話など、互いの表情を確認しながら会話ができるツールを使用する必要があります。単に音声のみでの通話や、表情が確認できないウェブ電話は認められません。
同意が必要となる
オンラインによる定期面談を実施するには、面談対象となる特定技能外国人本人、及び特定技能外国人を監督する立場の方、それぞれの同意が必要です。特定技能外国人本人への同意については、「1号特定技能外国人支援計画書」の該当欄への記載と署名により確認されます。
一方で、特定技能外国人を監督する立場にある者の同意については、任意の様式で確認を行っても問題ありません。同意の取得に関しては、対象者と監督者で方法が異なることに留意が必要です。
届出は不要です
すでに運用中の支援計画に基づいて行われている定期面談をオンラインに切り替える場合でも、新たに支援計画変更の届出を行う必要はありません。ただし、オンライン実施に同意したことを証明する書面は帳簿として保存しておく必要があります。
オンラインによる定期面談の留意事項
オンラインでの定期面談には、いくつか注意すべき点があります。
同意がない場合は対面で行う
まず、面談対象者がオンライン面談に同意していない場合や、過去に同意していたとしても対面での面談を希望した場合には、対面での面談を実施する必要があります。
オンライン面談の様子は録画する
次に、オンライン面談の内容は録画し、特定技能雇用契約の終了日から1年以上保存しておくことが求められます。また、地方出入国在留管理局から録画記録の提示を求められた場合には、これに応じる義務があります。
問題がある場合は再面談が必要
また、オンライン面談の結果、業務内容や待遇、保護に関して問題があると判断される場合、または面談中に第三者の介入が疑われる場合には、改めて対面での面談を実施することが求められます。
初回の面談は対面がのぞましい
円滑な支援を行うためには、面談対象者との信頼関係を築くことが重要です。そのため、受入れ後初回の面談および面談担当者の交代後初回の面談については、対面で行うことが望ましいとされています。
年に1回の対面による面談
オンライン面談を取り入れた場合でも、年に1回以上は対面による面談を実施することが推奨されています。これは、継続的なフォローと信頼関係の維持のためです。
第三者の影響を受けない環境の確保
オンライン面談を実施する際には、面談対象者が第三者の影響を受けずに自由に発言できる環境が求められます。面談開始前には、面談対象者に部屋全体を映してもらい、周囲に人がいないことを確認するほか、イヤホンや別モニター・マイクの有無もチェックしましょう。
また、面談中は対象者が正面(カメラ)を向いて話すよう依頼し、不審な点がある場合には面談後に個別に連絡して状況を確認する必要があります。
まとめ
今回の改正により、1号特定技能外国人に対する定期面談が柔軟に対応できるようになりました。オンライン面談の導入は、企業にとっても外国人従業員にとっても負担を軽減できる大きな前進です。ただし、実施にあたっては、同意の確認、録画記録の保存、問題発生時の再面談など、いくつかのルールを遵守する必要があります。人事担当者の皆様におかれましては、これらの要件を正しく理解し、適切な対応を取っていただくことが求められます。