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【Q&A】忘年会や新年会の会場で従業員がケガをした場合、労災の対象になりますか?
企業の人事担当者の皆様にとって、年末年始の忘年会や新年会は、従業員の交流を深める大切なイベントです。しかし、これらの楽しい集まりが思わぬ事故につながることもあります。
特に、会場でのケガは、労災保険の適用範囲についての疑問を生じさせることがあります。
目次
労災保険の基本
まず、労災保険の基本をおさらいしましょう。
労災保険は、業務上または通勤途中に発生した事故によるケガや病気、職業病などをカバーする制度です。これには、治療費の支給、休業補償、障害給付などが含まれます。
忘年会・新年会でのケガは労災か?
忘年会や新年会でのケガは、一般的には「業務外」の活動と見なされがちです。
しかし、これらのイベントが会社の公式行事として、または強い推奨の下で行われる場合、状況によっては「業務上の事由」として労災保険の適用が認められることもあります。
労災認定のポイント
- 会社の公式行事として開催される場合:会社が主催し、参加が強く推奨される場合は、業務の一環と見なされる可能性があります。
- 参加の任意性:参加が完全に自由であるか、ある程度の強制性があるかによっても判断が異なります。
- 事故発生の状況:事故がどのような状況で発生したかも重要なポイントです。
過去の事例
過去の裁判例としては、社外の忘年会の参加について、事業運営上緊要なものとは認められなかったことや、会社が参加を強制した事実はなかったことを理由として、業務遂行性を否定したものがあります。(名古屋高金沢支判昭和58・9・21労民34巻5・6号809頁)
企業としての対策
- イベントの目的と性質を明確にする:イベントが業務の一部であるかどうかを明確にし、従業員に伝えることが重要です。
- 安全管理の徹底:事故を防ぐための安全対策を講じ、リスク管理を徹底することが必要です。
- 労災保険の適用範囲の理解と啓発:従業員に対して、労災保険の適用範囲や手続きについての情報を提供し、理解を深めてもらうことも大切です。
まとめ
忘年会や新年会でのケガが労災保険の適用対象となるかどうかは、その状況や会社の関与の度合いによって異なります。
人事担当者としては、イベントの企画段階から安全管理、労災保険の適用範囲の理解を深めることが重要です。事故が起こった場合には、迅速かつ適切な対応が求められますので、事前の準備と従業員教育が不可欠です。